ユーザー意識の変化
近年、日本では車に対する人々の意識が大きく変化していると言われています。
環境問題の観点から、化石燃料を燃やして走る自動車を全て悪者扱いする人は別としても、若い世代を中心に自動車というものの所有を以前ほど重視しない人が増えています。
ひとつには、携帯電話の通信料金やその他20年、30年前は無かった支出が増えた事や、バブル崩壊以降の雇用環境の悪化から若い世代の収入が伸び悩んでいる事もありますが、それ以前に長らくあった「車はステータス」という考えが薄れた事が挙げられます。
その結果、国内での新車の販売台数は年々減少し、自動車メーカーも国内販売よりもアメリカ、中国など海外販売に力点を移して来ました。
それがサブプライムローン問題に端を発した世界同時不況で、日本の自動車メーカーが大きなダメージを受けた要因のひとつです。
車に対する意識の変化は必ずしも所有にこだわらない人の増加にも現れています。
カーシェアリングが注目
例えば個人ユーザー向けのカーリースや車を会員同士で共有するカーシェアリングが注目され、その利用者も年々急速に増えていると言われています。
この様に「車は所有するものではなく利用するもの」と考えるユーザーが増えて来た事で、以前の様に新車が発表されるたびに頻繁に車を買換えるユーザーは少なくなっています。
又、新車、中古車の別はあまり気にせず、自分のライフスタイルや利用状況に合わせた車を選択する合理的なユーザーや、いわゆる団塊の世代に見られる様な車選びに「こだわり」を持つユーザーも増加しています。
この様にユーザーの車に関する考えが多様化する中で、インターネットは益々ユーザーの行動に大きな影響を与える様になりました。
中古車を売るにせよ買うにせよ
現在中古車を売るにせよ買うにせよ事前に中古車情報サイトなどを利用して情報を集め、その上で最も自分に有利な取引をしようというユーザーは非常に多くなっています。
今では新車に買換える時でも新車ディーラーの下取価格の見積だけでなく、インターネットを利用して中古車買取専門店からも合わせて複数の見積書を取って比較するのは、ごく当り前になりました。